デザイナー編
デザイナーと一言でいっても、その領域は非常に広く、細分化するとキャラクターデザイン、背景、UI、エフェクト、アニメーション…と枚挙にいとまがありません。
2章で触れた通り、その広さは想像以上です。
ここでは、その中で「どうやってデザイナーとしての実績を作るか?」を深堀りします。
実績=ポートフォリオ
デザイナーは基本的に、「ポートフォリオ」と呼ばれる、自分のデザイン能力をまとめた資料を提出します。
ただし、「今まで作った作品を寄せ集めればOK」という誤解は捨てましょう。
就職用のポートフォリオは、あくまで「企業向けの自己PR資料」であり、見せる相手に合わせた構成が必要です。
参考までに、わかりやすい例を2つ挙げます。(他サイトへ移ります)
これらを見ればわかる通り、自分の得意分野を軸に、
「私はこんなデザインができます!御社で活かせます!」
というメッセージをしっかりと届けています。
「ライバルに勝つ」視点を持つ
他人のポートフォリオを見て「すごい」「かっこいい」と感じることがあるでしょう。
しかし、デザインスキルが高い=内定につながるわけではありません。
例として、スマホゲーム会社に家庭用ゲーム向けテイストを詰め込んだポートフォリオを送っても刺さりません。
逆も同じで、応募先に合わせて構成を変えることが必要です。
ベース+調整のポートフォリオ戦略
おすすめは、「汎用版」を作り、応募先ごとにページを差し替える方法です。
- 汎用的に通用する自己紹介ページ
↓ - 家庭用ゲーム向け事例ページ
↓ - スマホゲーム向け事例ページ
応募先によって、2枚目と3枚目を切り替えるイメージです。(※極端な例の話です)
採用側が避けたいと思う要素
- 場違いなジャンルのPR
カジュアルゲーム企業にホラー特化作品ばかり載せる → 使いまわし感が出る - 狙い撃ちしすぎた模倣デザイン
会社テイストに寄せすぎる → 既存デザイナー比較で厳しい評価になりやすい(※相当自信があれば別) - 自己満足
好きだから大量に作った特定ジャンル作品ばかり → エゴや視野の狭さが透けて見える
評価されやすいポイント
- 視野/アンテナの広さ
例:AI×デザイン活用事例(※会社によっては使い分け必須)、海外市場を踏まえた提案 - 市場分析力
流行作品を独自解釈して発展させる提案 - UXに富んだデザイン
見た目だけでなく、操作性・快適性まで考慮した提案
採用側が見ている本質
結局のところ、「商業開発の現場でやっていける視座を持っているか?」は意識されます。
なんとなく好きな絵を描くだけ、市場や流行に関心がない…こうした姿勢はポートフォリオから見抜かれます。
大手ほどその傾向が強く、逆に中小規模になるとその視座なしにシンプルなスキルセットだけの評価に偏る傾向も多少あります。
流れで理解する評価構造
わかりやすくすると、評価されるポートフォリオはだいたいこの流れです。
時代や市場を意識した提案
↓
その会社の方向性に沿った題材選び
↓
商業的に成立するクオリティ
↓
UXや操作性も考慮されている
↓
「一緒に働きたい」と思わせる人物像が見える
この流れが揃っていれば、採用側の評価は格段に高まります。
他の職種について
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