プログラマーの難易度とキャリア
プログラマー
ゲーム業界におけるプログラマーという職業は、とても広く、そして細分化されています。
そして余談ですが、「エンジニア」と呼ばれることもあります。
「プログラマーって要はコード書く人でしょ?」という認識も間違いではないのですが、
実際には、何を、どこで、どう動かすのか?という目的によって、役割はまるで違ってきます。
まずは、ざっくりでも良いのでこの職業像を理解するために、以下の3区分で整理してみましょう。
1. フロントエンドエンジニア(クライアントサイド)
プレイヤーが実際に目にする「画面まわり」や「操作感」を担当するエンジニアです。
「ボタンを押したらキャラが攻撃する」「アニメーションが再生される」など、いわゆる“見える部分”の動きを実装します。
ユーザー体験を直に左右する重要なポジションで、UnityやUnrealEngineなどのゲームエンジンに触れる機会が多いのもここです。
2. バックエンドエンジニア(サーバーサイド)
プレイヤーの目には見えませんが、データ保存や通信、ログイン処理などを担う裏方の存在。
RPGのセーブデータや、対戦ゲームのマッチング、ガチャの排出結果などもこの領域です。
たとえば「ガチャを引いた結果をサーバーで管理しないと不正が起きるよね?」という理解があれば、この役割の重要性が見えてくるはずです。
3. インフラエンジニア
バックエンドとやや近しい立場ですが、こちらは“通信やサーバー環境”そのものを支える人たちです。
ネットワークの構築、セキュリティ対策、サーバーの保守運用など、トラブルなくゲームが動く「環境」を作っています。
一言でいえば、ゲームが「安定してオンラインで遊べる」ことを支えている縁の下の力持ちです。
わかりやすく例えるなら…
| 役割 | 担当領域 | 例えるなら |
|---|---|---|
| フロントエンド | 見える部分(UIや演出) | お店の内装・接客 |
| バックエンド | ロジック・データ処理 | お店の調理場・在庫管理 |
| インフラ | 通信・安定性・土台設計 | 建物の配線・空調・耐震設計 |
「全部に特化して出来る人」はいない。でも理解は必要
それぞれ専門性が違うので、すべてを極める必要はありません。
が、他職域への理解がないと、連携がうまくいきません。
たとえば、「UIの実装が重すぎてバックエンドが詰まる」なんてことがあると、全体が破綻します。
だからこそ、自分の専門外でもある程度の知識や想像力を持つことが、いいチームプレイに繋がるのです。
就職難易度と評価されやすいポイント
プログラマーは、ゲーム業界の中では比較的就職しやすい職種です。
その理由は、需要の高さとスキルの汎用性。
- ゲーム会社の採用人数でもプログラマーが一番多く
- スキル次第で他業界にも応用が効く
- 転職市場でもプログラマー経験者は重宝される
といった背景があります。
そのため、就職難易度は**☆☆(星2)**。
さらに「プログラムが趣味です」「週末にゲーム作ってます」といった熱量がある人であれば、独学や実績で差をつけられる職でもあります。
キャリアパスは王道。ただし道も分岐する
配属→実地経験→リーダー→ディレクター(または専門職のエキスパート)
というキャリアは、わかりやすく、王道です。
ですが、フロント・バック・インフラで求められる資質や適性も異なるため、
どのルートを極めたいのかは早めに意識しておくことをおすすめします。
特にエンジニアスタートでディレクターを目指したい願望を持つ若い子は多いですが、98%のエンジニアはその地位に辿り着けません。
社内でそうなりたいことを宣言したり、自身でそこに向けて努力しなければ「1人の普通のエンジニア」として会社側もアプローチし続けます。
そのアプローチにディレクタールートは基本存在しません。
スキル評価と給与水準
プログラマー職は、スキルの可視化がしやすいです。
「このバグが取れるか」「この処理を高速化できるか」など、センスよりも論理性が重視され、
かつ、それが“目に見える成果”として評価されやすい。
また資格などもあるので、その習得も評価に直結します。
このため、昇進・昇給においても明確なルートがあります。
給与面でも、ゲーム職種の中ではもっとも高水準とされる傾向があります。
その分、負荷もかかりやすい仕事ですが、実力が報われる世界ではあります。
フリーランスという道も
個人ゲーム開発が趣味な方、GitHubなどでコード公開している方、
週末にUnityやUnrealでアプリを作っているような方であれば、フリーランスとして独立する道も十分にあります。
「会社で鍛えて、いずれは自分の力で仕事を得る」
そういった“スキルによる自立”が最も実現しやすいのが、実はこのプログラマー職かもしれません。
総括
どのルートを選ぶか、どうキャリアを積むかは自由です。
ただし、“調べる力”と“学ぶ姿勢”を持ち続けている限り、この職業はあなたに応えてくれるはずです。