シナリオライターの難易度とキャリア

🖋 シナリオライターの難易度とキャリア

シナリオライター
プランナーとも異なる、異質な専門職。
シナリオを書く人って、やっぱりかっこいいですよね。
私自身も、かつて憧れて目指そうとした時期がありました。


🧾 実際の仕事内容とは?

ゲーム会社に所属するシナリオライターの主な業務は、ゲーム内に必要なテキストやシナリオを執筆すること。
ただ、それだけにとどまらず、世界観の構築やキャラクター設定、時には演出面まで任されることもあります。

有名どころで言えば、麻枝准さんや奈須きのこさんなど、誰もが知るクリエイターがいますが、彼らは必ずしもゲーム会社の社員というわけではなく、むしろ外部のシナリオライターという立ち位置です。

ですが誤解のないように言っておくと、ゲーム会社の中にもシナリオライター職はちゃんと存在しますし、そこで活躍している方々も確かにいます。


🎯 就職難易度は“最上級”

いきなりですが、この職種の就職難易度、正直かなり高いです。
私の感覚では「☆☆☆☆☆(最大)」の中でも「さらに上」って感じです。

理由は主に2つ。

① 募集人数の少なさ

そもそも年間で1名募集されるかどうかレベル。
仮に毎年1人ずつ採用されたとしても、10年でたった10人。
それでも多い方です。
多くの企業は、必要に応じて外注ライターを起用したほうが効率が良いと考えています。

② 実績の要求レベルが高い

新卒でも「何らかの実績」が求められる世界。
シナリオコンテストの受賞歴や、商業化された小説経験、Web連載で人気が出ている…そんなレベルが最低ライン。
ここまでハードルが高い新卒採用って、他の職種ではなかなか見ません。

しかも、そもそも採用がない年すらある
採用はあっても、応募者多数で1人も内定が出ないというケースも。


🛠 実務の中身と“ギャップ”

いざ採用されたとしても、思い描いていた仕事がすぐにできるとは限りません。

多くの場合、以下のような仕事からスタートします。

  • プランナーが用意した文章の文体調整(校正)
  • ゲーム内の「称号」や「アイテム名」の命名
  • 外注シナリオのチェック
  • テキスト量の整合性管理
  • UIにおけるセリフ長の調整

もちろん、主業務として物語のシナリオを書く環境に巡り合えれば、それは非常に恵まれた立ち位置です。
ですが、それを1年目から担える人はごくわずか。まずは実務を積み重ねて信用を得る必要があります。


🧭 目的と生き方を明確に

ここで、あなたに問いかけたいのは
「あなたが目指すシナリオライターって、どんな存在ですか?」

  • 有名RPGの世界観をまるごと手掛ける?
  • 重厚な物語を自ら生み出したい?
  • プレイヤーの心を揺さぶる体験を届けたい?

もし、そうした理想像を掲げているのであれば、企業内のライター職で実現できるかどうかは一度冷静に見つめ直した方がいいかもしれません。

もちろん企業クリエイターとして安定した道を歩みつつ、チャンスを狙うというアプローチもあります。
ただし、それは「ゲーム業界で働きたい」気持ちが強い方向けです。

一方で、「自分の作品を世に出したい」「名を上げたい」そんな想いが強い方には、個人クリエイターとしての道も真剣に検討してほしいと思います。
小説投稿サイト、インディーゲーム開発、シナリオコンテストなど、今の時代だからこそ拓ける道もあります。


💡 最後に、伝えておきたいこと

このページは、あなたの夢を否定するものではありません。
むしろ、夢を叶えるために「冷静な現実」と「正しい情報」を伝えたい、そう思って書いています。

この業界は厳しいです。
でも、その先にあるやりがいは何物にも代えがたい。
だからこそ、あなた自身が「どんなシナリオライターになりたいのか?」を改めて問い直し、自分に合ったルートを選んでほしいのです。

そして私は、その選んだルートがどちらであっても、できる限りのサポートをしたいと思っています。


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