物量をこなせ

物量をこなせ|ゲームクリエイターが成長するために必要なこと

タイパ全盛の時代に逆行する考え方

昨今「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が流行しています。
YouTubeの動画を1.5倍速や2倍速で視聴、つまらない漫画は数話で切り捨てる――効率化の象徴です。

ですが、この記事で伝えたいのはその逆。
「物量をこなせ」=急がば回れ です。

一見非効率に思える行為が、長期的には効率化の第一歩になるのです。


物量をこなすことを否定する一流はいない

まずひとつ事実をお伝えします。
数をこなすことを否定する“一流の人”を、私は知りません。

  • サッカーなら本田圭佑
  • 野球ならイチロー
  • アニメなら宮崎駿
  • プロデューサーなら秋元康

彼らは例外なく「物量の大切さ」を語っています。
もちろん「成功した後に語っているだけ」という見方もありますが、それでも彼らが残した事実は無視できません。


ゲーム開発は変数の塊

なぜ物量をこなす必要があるのでしょうか?
理由はシンプルで、ゲーム開発は「変数」の塊だからです。

  • チーム状態
  • メンバーのスキル
  • 作ろうとしているゲームのジャンル
  • 自分の知識や経験

さらに市場のトレンド、ユーザーの嗜好、時代背景までもが変数となります。
そしてビジネスというもの自体が常に変化し続けています。

「再現性が取れない状況」だからこそ、何度も挑戦し、失敗や成功を積み重ねる必要があります。
その経験値を得る方法は 物量をこなすことしかない のです。


経験値効率を意識する

闇雲に繰り返すだけではダメ

「数をこなす」と聞くと、ただ同じ作業を繰り返すことだと誤解する人もいます。
ですが、それは経験値効率が悪いやり方です。

RPGに例えるなら――

  • 同じ敵を同じ手順で倒しても、得られる経験値は10。
  • 新しい魔法を試し、防御や別の戦術を使えば、得られる経験値は20。

つまり 「考えながら物量をこなす」=経験値効率を高める ことが成長の本質です。

ブラック労働は効率の悪い経験値

毎日遅くまで残業することは「経験」にはなりますが、それが必ずしも良質とは限りません。
むしろ ブラック労働で得られる経験値は効率が悪い のです。

早めに仕事を切り上げて映画を見る、デートする、異業種の勉強をする――これらも立派な経験値です。
人生の幅を広げること自体が、クリエイティブに直結するインプットとなります。


効率を求めるなら「経験値効率」を上げろ

ここで再び「タイパ(タイムパフォーマンス)」の話に戻りましょう。
重要なのは、ただ作業を早く終えることではなく、経験値効率を最大化することです。

  • ゲーム開発においては「たくさん絵を描く・コードを書く・企画書を作る」ことが経験値になります。
  • しかし同じことを繰り返すのではなく、新しい工夫や挑戦を混ぜることで経験値効率は倍増します。

努力の方向性を間違えないようにしましょう。


まとめ|物量をこなす意味

  • 物量をこなすことは効率化への第一歩
  • 変数の多いゲーム開発では経験値=物量が必須
  • ただ繰り返すのではなく、経験値効率を意識する
  • ブラック労働ではなく、幅広い経験を良質な経験値に変える

🎮 結論:
「物量をこなす」とは、ただ闇雲に数を重ねることではありません。
考えながら経験値効率を最大化すること。
この積み重ねこそが、不確実で変化の激しいゲーム開発で生き残る力になります。