お金の話はタブーではない
日本ではお金の話題を避ける風潮があります。
「美徳」として理解できますし、国の方針としても国民にそうあってほしい意図があるのかもしれません。
しかし、資本主義の世界で本当の意味でゲーム業界を盛り上げ、日本全体の水準を引き上げていくためには、このテーマから逃げることはできません。
だからこそ、「給与をどう上げるか?」について正面から考えてみましょう。
前提:転職は強力な手段
別記事の「転職を知ろう」でも触れましたが、とある一定年齢までは転職が給与アップの最適解です。
詳しくはそちらをご確認ください。
ここでは「転職を繰り返す」以外の方法――つまり、今いる会社でどう給与を上げるかに焦点を当てます。
日本のゲーム会社における給与の現実
まずは現実を知りましょう。
- 役員手前の給与アッパーは 約2000万円
- ただし実際に到達する人はごく少数で、1500万円前後が現実的な上限
- 出したゲームがヒットすれば「特別賞与」が乗るケースもあるが、ここ10年で業界内特に大手で知られるような“家が買えるレベル”のボーナスはほぼ聞かない
近年は「みんなで分け合う」文化が強まっており、成果は分散・次回作への投資に回るのが主流です。
つまり、1500万円までをどう積み上げるかが現実的な戦略となります。
カギは「マネージャーとの評価の握り」
どの会社にも5段階評価(仮)のような査定基準があります。
この「評価の握り」= こんな成果を出したら、この評価をください が非常に重要です。
日本的美徳の影響で、これを言う人は少ないですが、それが落とし穴です。
- 言わなければ査定は厳しくなる
- 「昇給を強く希望している人」と「言われた通りに頑張ります人」なら、同じ成果でも前者が優遇されやすい
- 給与交渉の秘訣は 「評価しやすい・断りづらい状況を作ること」
これはズルではなく正当な交渉術です。
給与がキャリアを決める
給与はただの数字ではなく、役割や責任と直結しています。
- 高い給与を得ている人 → 高いミッションが課される
- 低い給与のままの人 → 「この人は焦らずとも残る」と見なされ、昇進や大きな役割が回ってこない
つまり「給与交渉をする・しない」で、クリエイターとしての人生が変わります。
ディレクター、リードエンジニア、アートディレクターといった地位を狙うなら、この流れを避けては通れません。
給与は「目標」そのものではありませんが、成長のきっかけになる重要な通過点です。
ここが1番伝えたい事であり、意識してほしい重要な部分です。
まとめ
- 日本のゲーム会社での現実的な給与上限は 1500万円+特別賞与
- 昇給のカギは「マネージャーとの評価の握り」
- 言わなければ査定は厳しくなる。言う人は評価されやすい
- 給与は役割や責任と連動しており、キャリアの成長にも直結する
- 「給与=人生の最終目標」ではなくても、キャリアの推進力であることは間違いない
クリエイターとして大成したいなら、ぜひ給与と向き合いましょう。